「ママがよかった」——雨の中ずぶ濡れで迎えに行ったら、娘に一刀両断された話
2026年4月4日 ・ 読了時間:約3分
土曜日の午後、空はまるで「今日こそやってやる」と決意でもしたかのような本降り。窓の外をびしゃびしゃと叩く雨を見ながら、僕はカッパを引っ張り出していた。
妻は美容室で仕事中、今日の保育園のお迎えはパパ担当。レストラン勤務のパパはランチタイムとディナータイムの間にダッシュでお迎え。まあ、それは全然いい。問題は、この雨だ。
「カッパさえあれば余裕っしょ」と思ったのが甘かった。保育園に着いたころには、カッパをすり抜けた雨が靴の中までしみ込み、ズボンの裾はすでに敗北宣言を出していた。完全なるずぶ濡れ。
☂️ カッパって、あくまで「多少の雨」に対応したものなんですよね。大雨には、もはやサーフィン用のウェットスーツが必要かもしれません。
そんなボロ雑巾みたいな状態で保育室のドアを開けると——娘はニコニコしていた。よかった、泣いてない。むしろご機嫌だ。先生に「お父さんが来てくれましたよ〜」と言われて、こっちに駆け寄ってくる。
かわいい。かわいいぞ。ずぶ濡れになった甲斐があった、と思った。
そして電動自転車のチャイルドシートに娘を乗せようとした、まさにその瞬間。
「……ママがよかった」
え、待って。今なんて?
ニコニコしながら言うもんだから、一瞬「これ夢?」ってなった。ご機嫌だったじゃないか。さっきまで笑顔だったじゃないか。でも娘の目は、ごく自然に「パパじゃなくてもよかったんだけどね」と語っていた。
こっちはね、雨の中を自転車こいで、カッパの意味を問い直しながら来たんですよ。靴の中、ぐちょぐちょなんですよ。
でも娘を責める気には一切なれない。なんならちょっと笑えてくる。これがリアルな育児だなあ、と。
「ごめんね〜」と言いながら、自転車を走らせる。行き先は妻が髪を切りに行っている美容室。娘の「ママがよかった」という一言を、本人に直接届けに行くわけだ。なんというデリバリーサービス。
💡 子どもって、すごく正直ですよね。傷つくこともあるけど、そのまっすぐさがかわいくてしょうがない。
美容室に着くと、妻は施術の途中なのに手を振ってくれた。娘の顔が一瞬でパッと明るくなる。さっきまでパパと二人で自転車に乗っていたのが嘘みたいに、満足そうな顔をしている。
「ほら、ママいたね」と言うと、娘はふふっと笑った。
ずぶ濡れで、一刀両断されて、それでも「まあいっか」と思えるのが、育児の不思議なところだと思う。報われないようで、どこかじわっと温かい。
今日もパパは元気に生きています。

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